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高村薫のおすすめ人気小説ランキング10選【重厚かつ荘厳な文章】

数多い女性作家の中でも重厚な作風が特徴で知られる高村薫。作品のいくつかは映像化もされているので、小説より先に映像作品の原作者として高村薫を知ったという人も少なくないでしょう。そこで人気の高村薫の小説を選び方のポイント別にご紹介します。

高村薫の小説の特徴は謎解きや人間ドラマ

骨太な文体と、重厚な世界観で他の女性作家と一線を画した感のある高村薫。作品の舞台はあるときは、名もなき市井の人々の生きる街角であったり、世界を股にかけたスパイの暗躍であったりと多彩そのものです。

 

さらに、冷徹な高村薫の筆で描き出される登場人物たちは、どの人物造形ひとつとっても奥深さを感じずにはいられないものがあります。そうした緻密な世界観の上で繰り広げられる「まるで息遣いを感じるような人物たち」の物語に、読者は引き込まれずにはいられなくなってしまうのです。

編集部のイチオシ高村薫の小説はこちら!

文藝春秋

地を這う虫

価格:524円(税込)

Amazonで詳細を見る楽天で詳細を見るYahoo!ショッピングで詳細を見る

※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。

名もなき男たちの生き様にふれる佳作

長編作のイメージが強い高村薫ですが、短編小説にも味わい深い作品があります。この「地を這う虫」はそんな短編をまとめた1冊です。収録されている作品は「愁訴の花」 、表題作の「地を這う虫 」「巡り逢う人びと 」、「 父が来た道 」それに「去りゆく日に」の5編です。(文庫版には「去りゆく日に」は収録されていません)

 

主人公はそれぞれ、元刑事や大物代議士の専属運転手など、いわゆる日陰の目立たないポジションにいる男たちです。しかし、一見平穏な毎日をおくっているように傍からは見えても、それぞれ心の奥底に抱えているものがある主人公の身に、ある日波風が立つような出来事が起きます。

 

好むとと好まざるとに関わらず、これまで人知れず抱えてきた淀みと対峙しなくてはいけなくなった主人公たちが、自ら選ぶそれぞれの選択が深く突き刺さる短編ぞろい。このうち「去りゆく日に」は、2009年に小林稔侍主演でテレビドラマ化されています。

 

 

 

 

初出1993年映像化あり
長さ短編集

口コミをご紹介

元刑事が主人公の短編4作。斬新なストーリーでもないし、あッと驚くような展開があるわけでもない地味な短編集だが、愚直な主人公たちが織り成すストーリーは、硬くコクのある話しに仕上がっている。
 社会を底辺から見上げる元刑事たちの姿に哀愁が漂う

出典:https://www.amazon.co.jp

元警察官を主人公にした短編集。短篇ながら、作者の長編作品における重厚感を滲ませた傑作揃い。作者の力量を改めて感じさせてくれる。収録作品は、「愁訴の花」、「巡り逢う人びと」、「父が来た道」、「地を這う虫」。主人公の現在の職業は、各々、警備会社、悪徳金融業、大物政治家のお抱え運転手、倉庫番と守衛の兼業。
無為な生活から一転して現役時代の輝きを一瞬取り戻す。しかし、結局は目前の日々を地道に生きて行くしかない。ハデな演出を意識的に排して、生きて行く事の困難さ、それでも地道に生きて行く事の大切さを謳った傑作短編集。

出典:https://www.amazon.co.jp

主人公はいずれも理由があって一線を退いた元刑事。アリバイ崩しやトリックなどの派手な仕掛けはなく、非常に地味な小説ですが、その地味さがかえってリアルで、短編集なんだけれどすごく重い感じがしました。陽のあたる道を歩む人生ではなく、ひたすら日陰。読後の爽快感はなく、ふーっとため息をついてしまった。しかし、一線を退いてもなお、人には見せぬプライドを持って、なお人生に執着ししぶとく生きる男の日常がよく描かれていると思います。

出典:https://www.amazon.co.jp

高村薫の小説の選び方

1990年のデビュー以来さまざまな作品をこれまで発表してきた高村薫。そこでその高村薫の作品の中から、まず手に取るべき一冊を選ぶ際のポイントをご紹介します。

長編小説から選ぶ

高村薫がこれまで発表してきた小説の多くが、文庫版としては上下2巻に分かれる長編小説です。特に人気シリーズである合田雄一郎ものは、いまだ文庫化されていない最新作の「我らが少女A」以外は全て上下2巻ものとなっています。

 

長い小説を読み切るのは得意ではない、という人してしまうにも、細部に至るまでのリアルな描写や骨太な文体で構築された独特の世界に魅せられるうちに、ついつい夢中になって一気に読み通してしまう高村薫の長編小説はおすすめです。

短編小説から選ぶ

長編小説作家のイメージの強い高村薫ですが、短編小説も数多く手がけています。そうした短編をまとめた短編集は、隙間時間にも読みやすく、紙の本としても持ち歩くのにも手ごろなサイズとなっています。

 

題材や舞台となっているのは、長編作品のようなものではなく、ごく日常にあふれているような人たちや風景。軽い読み口の中にも、ひんやりとしたものが背中を撫でていくような切れ味を残す作品が揃っています

映像化作品から選ぶ

高村薫の小説は合田雄一郎を主人公とした刑事ものを中心に、数多く映像化されています。中でも映画版、ドラマ版の両方が制作された「マークスの山」や「レディ・ジョーカー」は、原作とそれぞれの作品との比較が2度楽しめます。

 

また「黄金を抱いて飛べ」のように映画作品のヒットから、改めて原作を読んでみるという人も多い作品もあるようです。ドラマ化作品には他に「去りゆく日に」や「照柿」、「強行犯捜査第七係」などがありますが、それら高村薫原作のドラマを見たことがあるという人は、その原作小説をチェックしてみるのもおすすめです。

 

 

高村薫のおすすめ小説人気ランキング10選

第10位

新潮社

リヴィエラを撃て

価格:781円(税込)

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※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。

陰謀渦巻く中の人間ドラマ

高村薫が作家として活動するきっかけとなった「リヴィエラを撃て」は、1989年の日本推理サスペンス大賞の最終候補作となった小説です惜しくもこの年は宮部みゆきの「魔術はささやく」の後塵を拝し、大賞受賞は翌年の1990年の「黄金を抱いて飛べ」まで待つこととなりました。

 

ストーリーの大部分において、舞台となるのはアイルランドですが、オープニングの舞台は1992年1月、珍しく雪に覆われた東京都内。そこである男の死体が発見されます。その男はジャック・モーガンという元IRA(アイルランド共和軍)のテロリスト。

 

そのモーガンが死体となる数十時間前に、警視庁に謎の女性から「ジャック・モーガンがリヴィエラに殺される」というタレコミ電話があったのです。なぜ、モーガンは冬の東京で死ななくてはいけなかったのか、彼を殺したリヴィエラとは何なのかという謎がまた次の謎を呼ぶ、スリリングな展開。

 

ストーリー後半にたたみかけるように解かれていく謎と、そのはざまにある人間の哀しさが胸を打つ長編大作です。

初出1992年映像化なし
長さ長編

口コミをご紹介

スケールの壮大なスパイ小説。
ストーリーは風呂敷を広げすぎた感じが否めませんが、
硬筆な描写、豊かなキャラクター造形、感情移入したくなる主人公等々、私は好きな小説です。
特に、ジャックは大好きです。
発刊当時、日本女性でここまでのスパイ小説が書ける作家が出てきたんだなぁという感慨がありました。
高村さんは、職業作家になる前に小説舞台のひとつベルファストの地へ行ったことがあると聞きました。
乾いた文章と魅力的な人物造形、高村作品の原点がここにあると、個人的に思っています。

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第9位

新潮社

神の火

価格:693円(税込)

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原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品

高村薫の魅力の1つとして、細部に至るまでの緻密な描写と、卓越した登場する人物たちの人間造形があります。その点において、この「神の火」もまさしく真に迫るシーンの連続と、思わず引き込まれる登場人物たちという二大要素で構成された長編小説です。

 

ストーリーは東日本大震災以降、それまで以上に人類に突き付けられた「原発」をテーマに進みます。主人公は元原子力研究所職員にして、旧ソビエトのスパイとして活動していた島田。その彼とある意味で対極にいる人物が、島田が出会う高塚青年です。

 

人間の裏切りやむき出しの欲望というものに辟易していた島田にとって、わずかに残っていた柔らかな心を思い出させてくれた高塚青年との邂逅が、穏やかであればあるだけ、ラスト近くの原発襲撃シーンのバイオレンスさとの対比が際立って胸に迫ってきます。

 

単行本の時点から文庫化にあたっては加筆400枚という大幅改稿されているので、気になる方は単行本版と合わせて読み比べるのもおすすめです。

 

 

 

 

 

初出1991年映像化なし
長さ長編

口コミをご紹介

上巻・下巻共通の感想。
さまざまなハードウエアについて、詳細な記述が光り、圧倒的迫力を醸し出している。
そして、原子力に携わる人間が内部からテロリストに育っていく過程も説得力がある。
その点で『天空の蜂』同様に、内部で育つテロリストを防御する手段はない、という一種のシミュレーションになっている。
社会科学・技術両面をカバーしつつ、人間の内面も描き切った質の高い文学だと思う

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第8位

文藝春秋

四人組がいた。

価格:715円(税込)

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ある意味ブラックコメディともいうべき短編連作

手に汗を握るサスペンスシーンがあるわけでもなければ、世界を股にかけるような華麗なスパイアクションが展開されるわけでもない。高村薫の作品と知らずに読んだら、著者名を見て驚くかもしれない短編集「四人組がいた。」。

 

舞台は市町村合併の波に飲み込まれた、いわゆる過疎の村。その村の集会所に集う四人の老人たちが、この作品の主人公たちです。四人の顔ぶれは、村の元村長に元助役、さらに郵便局長とおばさんが1人。

 

この四人組の目に留まらずに、外から村を訪れることは難しいため、いわゆる田舎の老人たちを手玉にとっての一儲けを企む者たちは、四人組の繰り出す大ボラ話に翻弄されてしまいます。

 

さらに登場するのは人間ばかりではなく、狸やキツネ、クマなどの山里に暮らす生き物たち。痛快さに胸がすっとする思いをしつつも、裏に潜む世相に対する皮肉にひやりとさせられる作品です。

 

 

 

 

初出2014年映像化なし
長さ短編集

口コミをご紹介

 都市と地方の格差やら老人差別やらをテーマに、高村さんらしいシャープで硬派な展開を期待していたら……一言で言えば、ダークなファンタジーですね。後半になればなるほどリズムが出てきて、こちらも世界観に慣れて、楽しく読めました。
 とはいってもそこは高村さん。ユーモアにまぶして、社会批評もちらりちらりと垣間見えました。高村ファンとしても、作家の新境地を見るようで満足のゆく作品でした。
 読後に思ったのは、「これ、アニメ化できるのではないか」ということです。とても子供向きにはなりませんが、作り方によっては奥深いモノができるような黄がします。「原作・髙村薫」の映画ではなく、アニメも話題になるのではないでしょうか

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第7位

講談社

李歐

価格:847円(税込)

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初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」

拳銃の密輸や殺人にまで手を染めた美貌の男である、李歐。そんな李歐と主人公の吉田一彰が出会ったのは、一彰が平凡な学生であったころ。そこから一彰の人生は自分でも思っても見なかった展開の連続となっていきます。

 

その後二人は袂を分かち、その間に一彰は結婚し家庭を築き、額に汗して働くという李歐 とは全く違う人生を歩きます。しかし、一彰の妻の不慮の死や、残された遺児との暮らしの中で再び巡り合う2人。

 

明確な恋愛感情に裏打ちされた関係ではないものの、それに近しいものをお互いに見ている二人のやり取りは、恋愛小説と言ってもよいほど。また、作品中に流れる年月だけでも10年以上という、グランドロマンとしても楽しめる作品です。

 

初出の「わが手に拳銃を」からは大幅に改訂されているので、読み比べてみるのもおすすめ。

初出1992年映像化あり
長さ中編

口コミをご紹介

我が手に拳銃を、を読んでからこちらの李歐を読みました。物語は原作が完全に解体されて結末含めてまったく違うものになっています。特に物語のキーマンである笹倉の扱いが全く違う(笑)。
『我が手に…』のほうが疾走感があって高村薫自身の若さが感じられるかな。
こちらの作品では咲子をはじめとする女性の心理描写が女性ならではの感覚で巧みに表現されているのも、高村作品には珍しいかもしれません。
『我が手に…』と『李歐』、2冊読み較べることをオススメします。

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第6位

新潮社

レディ・ジョーカー 

価格:825円(税込)

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映画及びドラマ化された問題作

長くタブーとされてきた出自の問題や利益供与、企業テロなど社会的な問題をテーマにしつつも、その根底には「人間とは何か」、「他者と自分とが個人として正しく向き合うとはどういうことか」といった普遍的な問題も内包した長編作品である「レディ・ジョーカー」。

 

主人公である合田刑事が「マークスの山」で登場してから3作目にあたるこの作品は、民間企業の中に巣食う企業倫理と、人間それぞれが抱える心の闇とが複雑に絡み合ったサスペンス作品です。

 

さらに登場してくる犯人たち1人1人が犯罪に手を染める理由も、現実の悲哀に満ちたものばかり。善か悪かだけでひとくくりに出来ない、人間の原罪を感じさせてくれる作品です。

 

初出1997年映像化あり
長さ長編

口コミをご紹介

丁寧な人物描写で、上・中・下全て楽しんで読み終えることができました。
2回読んでいるのですが、以前読んでから時間がだいぶ過ぎてから今回再度読んでみましたが、大変良かったです。
また高村薫さんの作品を読んでみようと思っています。

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第5位

毎日新聞出版

我らが少女A

価格:1,959円(税込)

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合田雄一郎シリーズの第6作目

合田雄一郎を主人公とする一連のシリーズの第6作目にあたる「我らが少女A」。初出が毎日新聞の連載小説であったため、作者によると「多視点で物語を区切れば読みやすくなるのでは」といった意図からゲームやSNSも頻繁に登場する作りとなっています。

 

ストーリーは57歳になった合田が教授を務める、警察大学校の近くでかつて発生した未解決事件が鍵となっています。その事件の被害者は、中学校の元美術教師の女性。事件を担当したのは当時の合田でした。

 

それから12年後、同棲相手に殺された風俗嬢は元美術教師のかつての教え子であり、当時の事件に関するある物を持っていたことが明かされます。そこから現在と12年前が交錯する謎解きが始まっていきます。

 

事件の真相とは結局何だったのか、そして殺された風俗嬢が果たした役割とは何だったのか、謎が紐解かれるにつれて明るみに出る人間の哀しさ、最後にほの見える救いが胸に残る作品です。

 

 

 

初出2017年映像化なし
長さ中編

口コミをご紹介

何より美しいのは、髙村さんの言葉による武蔵野の情景描写。氏がかつて通った大学が近く、武蔵野への思いは強いと語るだけあって、季節折々の描写はまさに眼前に景色が立ち上がるほど。
そして、関係者それぞれの些細な日常を描きながら、そこに潜む諦めや寄る辺なさといったものが、髙村さんならではのユーモラスかつ絶妙な比喩表現をもって語られる文章そのものに心酔。

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第4位

新潮社

黄金を抱いて翔べ

価格:605円(税込)

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映画も人気を集めた人気小説

人のいない土地に住みたいと願う主人公の幸田を始め、それぞれに訳アリのクセのあるメンバーで金塊を強奪しようとするストーリー展開からスリリングですが、単なるアクションもので終わらないのが高村薫が骨太の作家と呼ばれる由縁。

 

メンバーそれぞれの背景を丹念に描き出すことで、なぜこんな無謀な計画に加わることとなったのか、その金でどうしようとしているのかを知るにつれ、本来は犯罪者であるメンバーに肩入れしたくなってしまうほど。

 

高村薫は日本推理サスペンス大賞をこの作品で受賞し、世に出たわけですが、その独特の世界観は今作から既に構築されています。これまで高村薫の作品を読んだことがないという人にもぜひおすすめの1冊です。

初出1990年映像化あり
長さ中編

口コミをご紹介

映画を観たら原作を読みたくなって読んでみました。これも傑作でしたね。

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第3位

新潮社

照柿 

価格:693円(税込)

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合田雄一郎シリーズの第2作目

警視庁の合田雄一郎警部補を主人公とするシリーズの2作目にあたる長編小説「照柿」。合田警部補と合田の幼なじみ野田達夫が、美保子という1人の女を中心にれぞれの人生や愛、さらに生きるということを巡り、ぐにゃりとねじ曲がって堕ちていく1週間の様子が描き出されています。

 

その1週間をさらに強烈に印象付けるのは、ぎらぎらと照り付ける真夏の日差しと熱の描写。行間からゆらりと灼熱のかげろうが立ち上るような暑さまで、感じさせられます。

 

全編を貫くのは男を破滅させるのは女という使い古された言葉がぴったりとくるような美保子の業と情念。男2人と女が1人、その行き着く先に待つ暗く重い結末が、この作品のテーマと言えるのかもしれません。

 

 

 

 

初出1994年映像化あり
長さ長編

口コミをご紹介

20年ぶりに再読、色あせない、面白い小説というのは、あるもので、この作品も、著者,レディジョカー、マークスの山と並ぶ、三大傑作だ。

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第2位

講談社

マークスの山

価格:712円(税込)

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合田雄一郎登場

映画化もドラマ化もされている「マークスの山」は、人気シリーズの主人公である合田雄一郎が初登場する長編小説です。初出の単行本の後の文庫化の折に、全面的に改稿されていることでも知られています。

 

ストーリーは、何の関連性も感じられない2つの殺人事件から始まります。それぞれの事件の被害者は元暴力団組員と高級官僚であり、この2つの事件を繋ぐ鍵は、使われた凶器が同じものであるという事実だけでした。

 

ミステリー作品としての「マークスの山」は、犯人の確定につながる情報はストーリーの始めから随所に提示されています。謎解きというよりは、どうして殺したのか、何のための殺人だったのかという犯人の動機を探っていく展開となっています。

 

山岳小説としての魅力も兼ね備えた「マークスの山」ですが、やはり真骨頂は犯人とその犯人を追う警察との駆け引きや、犯人を追い詰めていく合田警部補を始めとする登場人物の造形の魅力でしょう。

 

なお、「マークスの山」は文庫化に当たって全面改稿されていますが、単行本と文庫版では作品を貫く雰囲気や登場人物たちの造形も大きく異なります。それぞれの版のファンも多いので、一度読み比べてみるのもおすすめです。

 

初出1993年映像化あり
長さ長編

口コミをご紹介

警察組織の描写がなんとも言えずよい。
人物描写・精神構造の分析力、やはり高村氏はすばらしい。

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第1位

新潮社

冷血

価格:781円(税込)

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生と死を巡るクライムノベル

合田雄一郎が主人公のシリーズの第5作目の長編小説「冷血」。初出時は「新冷血」と命名されていましたが、「冷血」というタイトルからはトルーマン・カポーティの有名な同名小説を連想する人が多いかもしれません。

 

ストーリーは2002年のクリスマスの前夜に、歯科医一家4人が無残にも惨殺される事件から始まります。しかし、いきなり殺人事件の現場に警察が駆けつけることでの幕開けではなく、まずは被害者一家の長女である中学生の少女の目を通じた、彼らの日常が描かれます。

 

特別でもなく、ごく普通のどこにでもいる、つまり自分自身であってもおかしくない彼らが、理由なく殺される理不尽さ。それが無残であればあるほど、犯人に対しての憎しみの念が強くなるのは当たり前です。

 

しかし、死刑確定の犯人に警察の人間としてだけでなく、一個の人間として向き合う合田との交流を通して、犯人たちの真の姿を知るうちに、そうした憎しみだけの気持ちが揺らいでくるのも事実なら、被害者たちの無念を忘れられないのもまた事実。

 

人の生と死は裏表とは言え、それを決めるのも果たして同じ人間なのかどうなのか。重いテーマを突き付けられる小説です。

 

 

初出2010年映像化なし
長さ長編

口コミをご紹介

文字通り血も凍るような殺人現場の描写には戦慄を覚え、犯罪小説としてのサスペンスは十分楽しめるが、いかに凶悪な犯罪を犯そうとも人間の心の奥には何があるのかを執拗に追及する作者の姿勢に心打たれる。人間の善と悪とは何であるか。国家が人を死刑にするのは正しいのか。前作の「太陽が曳く馬」ほど難解ではないが、人間とは何であるかという永遠のテーマを作者はこの「冷血」でも追及し続けている

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高村薫の小説の比較一覧表

  • 商品画像
  • 1
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    新潮社

  • 2
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    講談社

  • 3
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    新潮社

  • 4
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    新潮社

  • 5
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    毎日新聞出版

  • 6
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    新潮社

  • 7
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    講談社

  • 8
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    文藝春秋

  • 9
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    新潮社

  • 10
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    新潮社

  • 商品名
  • 冷血
  • マークスの山
  • 照柿 
  • 黄金を抱いて翔べ
  • 我らが少女A
  • レディ・ジョーカー 
  • 李歐
  • 四人組がいた。
  • 神の火
  • リヴィエラを撃て
  • 特徴
  • 生と死を巡るクライムノベル
  • 合田雄一郎登場
  • 合田雄一郎シリーズの第2作目
  • 映画も人気を集めた人気小説
  • 合田雄一郎シリーズの第6作目
  • 映画及びドラマ化された問題作
  • 初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
  • ある意味ブラックコメディともいうべき短編連作
  • 原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
  • 陰謀渦巻く中の人間ドラマ
  • 価格
  • 781円(税込)
  • 712円(税込)
  • 693円(税込)
  • 605円(税込)
  • 1959円(税込)
  • 825円(税込)
  • 847円(税込)
  • 715円(税込)
  • 693円(税込)
  • 781円(税込)
  • 初出
  • 2010年
  • 1993年
  • 1994年
  • 1990年
  • 2017年
  • 1997年
  • 1992年
  • 2014年
  • 1991年
  • 1992年
  • 映像化
  • なし
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  • 長さ
  • 長編
  • 長編
  • 長編
  • 中編
  • 中編
  • 長編
  • 中編
  • 短編集
  • 長編
  • 長編

高村薫の小説の映像化作品を楽しむ

数多くの作品が映像化されている高村薫。小説でその世界を楽しんだ後は、映像化作品でもその魅力を楽しむのもおすすめです。

マークスの山

全5話からなる「マークスの山」。ドラマ化されたのは2010年ですが、1995年にも一度映画化されています。しかし映画版の方は残念ながらDVD化されていないので、「マークスの山」を映像で楽しみたい場合は、こちらがおすすめです。

 

主人公の合田雄一郎を演じたのは上川隆也。旧友であり、登山仲間でもある加納祐介にふんするのは石黒賢。他にも高良健吾、大杉漣、佐野史郎、石橋蓮司などが名を連ねています。原作とはまた一味違う迫力の山岳シーンも見ものです。

レディ・ジョーカー

「マークスの山」と同じく警視庁の警部補である合田雄一郎が主人公の「レディ・ジョーカー」も全7話でドラマ化されています。こちらも2004年に映画版が作られており、映画版では合田雄一郎ではなく、渡哲也演じる物井清三がストーリーの主役となっています。

 

ドラマ版は2013年に制作され、主人公の合田雄一郎は「マークスの山」に引き続き上川隆也が演じています。さらに日の出ビール社長の城山恭介に柴田恭兵、他にも豊原功補、石橋凌、山本耕史などが出演。

 

大企業と金、さらにその中にうごめく人の欲望や裏切りといった高村薫の世界観をどう映像化しているかにも注目です。

黄金を抱いて飛べ

1991年に単発の2時間ドラマ化されたこともある「黄金を抱いて飛べ」。2012年に「パッチギ!」などで知られる井筒和幸監督により、映画化されています。この映画で主人公の幸田弘之を演じたのは妻夫木聡。

 

その他の金塊強奪グループには、浅野忠信や桐谷健太、溝端淳平、東方神起のチャンミン、西田敏行が扮しています。さらにマツコ・デラックスが一瞬だけカメオ出演しています。

 

大胆不敵な犯行と、グループのメンバーそれぞれが抱える事情と背景。それを可視化した作品の醍醐味が味わえる作品です。

サスペンス映画の魅力にふれる人気おすすめ作品

サスペンス映画の人気作品33選は下記の記事で紹介しています。選び方使い方も合わせて紹介しているので是非チェックしてみて下さい。

高村薫の重厚な文章を楽しもう

今回は、高村薫ののおすすめ小説をランキング形式でご紹介させていただきました。高村薫の小説は、作品のテーマや時代背景、主人公の設定によって選ぶことが重要です。今回ご紹介したおすすめの高村薫の小説の中から、ご自分に合った小説を選んで読んでみてください。

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