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【古くて新しい】ゲームでも大人気!永井荷風おすすめ名著ランキング10選

永井荷風をご存知ですか?明治生まれの自由を愛した耽美派の代表的な作家です。文豪達が登場するゲームでその名を知ったという方も。今日はそんな永井荷風の大人気おすすめ名著をランキング形式でまとめてみました。ぜひリラックスしてお読みください!

色褪せない文豪永井荷風

永井荷風とは?若い方はそう感じる方も少なくないかもしれません。永井荷風は、1879年12月3日明治生まれの小説家です。中学在学中に病気にかかり、療養中伝奇小説・江戸戯作文学に触れたことをきっかけに文学に目覚めました。79歳の生涯を終えるまで、自由奔放な人生に裏付けされた話題作を発表してきました。

 

夏目漱石や森鴎外に才能を称賛され、73歳の時には文化勲章を受章。純文学の堅い作品のみと思いきや、さにあらず。芸妓や娼婦との恋愛遍歴や放蕩ぶりも永井荷風を語る上では欠かせません。現在は文豪達が登場するゲームのキャラクターとしても人気。外国留学の経験からアメリカ・フランスなどにも造詣が深く、おもしろいおすすめの作品はたくさんありますよ!

 

 

永井荷風著書の選び方

ジャンルにより選んでみよう

永井荷風の作品は小説と、自分の私生活を投影した日記・エッセイがあります。何を求めるかで違ってきますので、お好みのものを。

じっくり読もう王道の小説

永井荷風の小説の世界を楽しむポイントは、世界を舞台に繰り広げられて広い視野からの視点です。永井荷風自身が持ち合わせている自由人の気質と相まってより広がりを持ちます。作者は海外生活の経験をえています。その実体験を基に深い洞察力を加えた小説などはおすすめです。

 

また、小説はフィクションなので自分が主人公とは限りません。他人をモデルとして書かれているケースもままあり、それで揉めてしまったなんてことも…。永井荷風も叔父である当時の福井県知事と絶縁状態になった、というエピソードがあります。事実は小説よりも奇なり、です。

定評がある日記

永井荷風の真骨頂と言えるのが日記です。本人をよりリアルに感じることが出来ます。約42年にもわたり綴られた永井荷風の軌跡が活き活き描かれた作品もあります。人様の日記を、しかもこれだけの長期間通してのものを読むのは、なんだか少し「いいのかな」というドキドキ感があります。

 

世の中の移り変わり、その時代の時勢も知ることが出来ますから、その点でも貴重な読み物だと思うのでおすすめです。二度の離婚をえて、その後基本的に一人暮らしをした自由な生活を謳歌しました。好奇心旺盛な永井荷風の姿が今も息づいています。

作家としての変換期で探す

明治・大正・昭和を生きた作家永井荷風として、時期によって作品の傾向が移行していきます。また私生活の影響も受けているでしょう。

初期~新進気鋭の作家としてデビュー~

永井荷風はフランス語を習い始めたきっかけに、エミール・ゾラ「大地」を読んで傾倒して、自然主義文学を志します。1898年から作品を次々と発表し、その中の著作が森鴎外に絶賛されてその名をとどろかせるきっかけとなりました。

 

永井荷風は小説以外の文化にも広く興味を示し、江戸文学の研究のため、落語家にの弟子となって夢之助と名乗っていたことも。好奇心旺盛な永井荷風のユーモラスな一面も、作品に影響を与えているでしょう。そんなところも踏まえつつ読んでみるのもおすすめです。

中期~脂が乗って話題作も

永井荷風が充実し、かつ精力的に活動した時期。外遊で見聞を広め人脈を得て、吸収してきたことを作品に投影することで花開きました。代表作といわれる作品を発表していきました。夏目漱石経由で新聞連載を依頼され、森鴎外らに推薦を受けて慶応義塾大学文学部の主任教授に就任しました。

 

力のある有力者に引き立てられる幸運の星の元に生まれ付いているのでしょうか。永井荷風の才能と実力がどんどん評価され、八面六臂の活躍ぶり。雑誌「三田文学」を創刊、谷崎潤一郎や泉鏡化を取り上げています。この頃海外を舞台に描いたものが永井荷風の名刺代わりのような代表作となっていきます。

後期~戦乱と新境地へ

江戸文化や遊里に興味の対象が向かっていた永井荷風は、三田文学の運営を巡り慶応大学側と軋轢が生じ、教授を辞職。創作に専念の傍ら、江戸戯作者や文人の世界など好きな世界を探求する日々を送りました。47歳辺りから銀座のカフェ―に出入りするようになり、永井荷風の作品にも影響を与えました。

 

女給や私娼に関心を持った永井荷風は、新境地の作品に昇華させ、さらに精力的な執筆活動を繰り広げます。また新聞連載に好評を博す作品を発表し、代表作となります。そして、戦乱の混乱のなかに否応無しに転居を余儀なくされたり、創作活動にも支障をきたしながら逞しく生きていきます。

代表作や作風から見る

永井荷風といえばこれ!と名が挙がる作品をがあります。そのようなおすすめ作品から読んでみるのはいかがでしょうか。常に1つの所に留まらず、関心の趣くまま創作活動を続けた永井荷風をピックアップで触れることができます。

グローバルさが反映されている作品

永井荷風の大らかさ、変化に囚われなさは海外にゆかりが深いところからきている、という点があります。父の永井久一郎もプリンストン大学やボストン大学に留学経験があり、渡航に理解がありました。今で言うグローバルですね。そのような背景もあって、事業を学ぶべくアメリカで日本大使館、横浜正金銀行に勤務しました。

 

しかしその環境が肌に合わず、かねてからフランスに興味があり語学を修めていた永井荷風は父親のコネを使い!渡仏に成功し10ヶ月間滞在。銀行のリヨン支店に転勤後、退職をえてパリに遊び、見聞と人脈を広めました。外遊中の永井荷風は足繁くオペラや演奏会に通い、それがヨーロッパクラシック音楽の知識を紹介する端緒となり、日本の音楽史に功績を残すこととなりました。そんな永井荷風の著書は新鮮な風が吹いていておすすめです。

私生活や放蕩さが窺える作品

永井荷風の本名は永井壮吉と言います。「荷風」という名前は病気療養中に入院中に恋心を抱いた看護婦の名前、お蓮さんに因んで付けられたものです(漢字の荷には植物の蓮という意味も)。なんともロマンティックですが、後の永井荷風の生き様を予感させるエピソードですね。

 

吉原通い、芸妓遊びなど永井荷風を語る上で女性は欠かせない存在です。私生活では2度の離婚をえて気ままな1人暮らしを続けました。そして、放蕩生活により親族とは断絶状態となってしまいます。自由奔放な生き方は40年以上もつけていた日記に記されています。広域の愛を表現し続けた永井荷風。愛について考えてみたい方、特におすすめです。

耽美派の作品

耽美派の中心的な存在として知られる永井荷風。耽美派とは、道徳より美を最高と位置付ける思想を総しての意味です。官能的で艶やかなものを追及する永井荷風は小説の中に留まらず、私生活も含めてそれを体現した作家ではないでしょうか。

 

現在には非難を受けそうな生き方ですが、当時の作家らしい生き方や精神の開放に触れてみたい方にはおすすめです。抑圧された日常を送られている方は、目から鱗かもしれませんよ!耽美派の作家で有名な谷崎潤一郎がいますが、昔自分が文豪からしてもらったように、永井荷風が谷崎を見出し世に広めるきっかけを作りました。

永井荷風著書の人気ランキング10選

10位 岩波書店 『荷風随筆集 下』

価格:756円(税込)

永井荷風を読んだことが無い方にも

永井荷風をあまり知らない方も、随筆から入れば読みやすいのではないでしょうか。荷風随筆集(下)は作者のより、素に近い部分を垣間見ることが出来ます。硬派のイメージが余り無いかもしれませんが、達観したような広い視野でみてる永井荷風がそこにいます。

 

時空を超えて作家の思想に共感する箇所が、随所にちりばめられています。いつの時も人間の考えることは、そう違いは無いのかもしれない。そんなことを感じる1冊です。なにか今の自分にヒントになるものをお探しの方にもおすすめです。

 

文庫302ページ出版社岩波書店
発売日1986/11/17梱包サイズ14.8×10.6×1.4cm

9位 岩波書店 『荷風随筆集 上 日和下駄 他十六篇』

価格:712円(税込)

粋な江戸文化を楽しめる

若い頃から江戸文化を愛し、研究してきた永井荷風。荷風随筆集(上)に多くの貴重な明治・大正・昭和と3つの時代を生きてきた作者の目に映る東京が綴られています。現代の東京と照らし合わせて歩いてみるのも趣があって楽しいかもしれませんね。

 

戦争により焼失してしまった東京の地理や建物、そして当時の生活習慣に文化が残されていることは、歴史的資料としても貴重です。美しいものを追及してきた永井荷風の美意識が江戸を舞台に繰り広げられています。東京の遍歴を感じられる点が特におすすめです。

文庫300ページ出版社岩波書店
発売日1986/9/16梱包サイズ14.8×10.6×1cm

8位 岩波書店 『すみだ川・新橋夜話 他一篇』

価格:875円(税込)

艶やかな男女の物語

すみだ川・新橋夜話 他一篇は永井荷風の芸妓との交流など、花柳界に通じていた経験があったからこそリアリティをもって描ける作品です。華やかな世界と背中合わせの悲しさ、もののあわれ…。男の筆者ですがさすがの洞察力が光っているのは、永井荷風の得意分野であることからくるのは間違いないでしょう。

 

長編小説は苦手に感じる方にも、いくつかの作品が入っている本書はおすすめします。一昔前の恋愛小説を読んでみると、浪漫とかお洒落という言葉が浮かんできて、別次元に世界に触れたようなワクワク感を持てますよ。

文庫337ページ出版社岩波書店
発売日1987/9/16梱包サイズ14.6×10.6×1.8cm

7位 新潮社 『ふらんす物語』

価格:562円(税込)

戦前の良き時代のフランスがここに

フランスに憧れを持っており、渡仏前からフランス語を学んでいた永井荷風。影響を大いに受けた敬愛するエミール・ゾラの母国でもあります。ふらんす物語は若き日の永井荷風が、満を持してフランスでの生活を歩みだした姿が目に浮かぶ情景が描かれています。また永井荷風の後の人格形成をかたどったとも言われています。

 

自由を愛し反骨精神を育んだ永井荷風は、フランスの国や人々の思想を自分の中に取り入れていますが、特筆すべきはオペラや演奏会にも通い吸収したものを伝えたこと。日本でも高く評価されることになりました。ヨーロッパの香りが詰まった本書は旅好きの方も面白く、参考になるのではないでしょうか。

 

 

文庫336ページ出版社新潮社;改版
発売日1951/7/5梱包サイズ14.8×10.5×2cm

6位 岩波書店 『つゆのあとさき』

価格:518円(税込)

花柳界の世界が窺える

つゆのあとさきは、とても口コミの評価が高い永井荷風の小説です。この作品の中で、通俗的な男女の駆け引きや心の機微をたっぷりと表現することに成功しています。花柳界などの相手にめまぐるしいほどの女性遍歴をえてきた永井荷風。根底にはその世界、そこに身を置く人々に柔らかな愛情があるのではないか、と思えるのです。

 

そうでなければ離婚後は妻子を持たず、親族とも疎遠になりながらもプレイボーイと呼ばれる生き方は送らないと思うのです。文体が粋な感じで、いい具合に時代を感じます。

 

文庫157ページ出版社岩波書店;改版
発売日1987/3/16梱包サイズ14.6×10.6×1cm

5位 岩波書店 『あめりか物語』

価格:918円(税込)

当時のアメリカの様子が分かる

あめりか物語を発表する程なので、永井荷風はきっと行動的な人物なのでしょう。当時は今と違って渡米する日本人がまだまだ少ない時代。カルチャーショックを受つつ4年間アメリカ生活を送りました。若き日にワールドワイドな価値観に触れているから物おじせず、自分の思想を貫いた人生を送ったのかもしれません。

 

この作品は今のアメリカと、永井荷風が生きた時代との対比してみると新鮮な感覚で読めます。時流を超えて変わらない普遍性、自分の視点でものを見ることの大切さなど、変化のスピードが速いアメリカだからこそ浮き彫りになってきます。気楽に永井荷風の優雅な外遊記として読むのも、またおすすめです。

文庫378ページ出版社岩波書店
発売日2002/11/15梱包サイズ14.6×10.6×1.6cm

4位 筑摩書房 『永井荷風[ちくま日本文学019]』

価格:950円(税込)

名作が集められている一冊

代表的な永井荷風作品のエッセンスが集まった総集編の要素がある永井荷風[ちくま日本文学019]。美しいものを探求することをライフワークとした生涯を、風景の描写や人物の心理を細やかに描いています。まずは読んでみよう、という方にもおすすめです。永井荷風は、文豪達が登場するゲームの人気でその名を知った、という声も聞きます。

 

そのゲームの中で耽美派である永井荷風は「美」がキーワードになるキャラクターとして位置づけられています。今読むからこそ新鮮な世界となり、刺激的に感じることも。まさに古くて新しい永井荷風です!

 

 

文庫480ページ出版社筑摩書房
発売日2008/7/9梱包サイズ14.8×10.6×2.2cm

3位 岩波書店 『摘録 断腸亭日乗 〈下〉』

価格:983円(税込)

永井荷風の歴史が刻まれている

最も永井荷風を表していると言っていい作品が摘録 断腸亭日乗〈下〉です。永井荷風の心情と、世の中の移り変わりが一体となっている当時を知る貴重な作品で、心に響くフレーズがたくさんちりばめられていておすすめです。戦中・戦後の混乱で不安定な日々を送る様子や、食糧難による苦難の描写は胸に深く迫ります。

 

晩年になるにつれ、だんだんと筆が少なくなり1日1行になっていくくだりは、永井荷風の人生をつぶさに記録しています。ですがそこは永井荷風の日記、俗っぽさもふんだんに盛り込まれています。赤裸々な女性関係に喜怒哀楽、政治に対する批評。ちなみに永井荷風の父方の従兄に、作家の高見順がいます。しかしあまり仲が良くない二人のようです。そんなことも書いてしまう人間永井荷風の姿が今も蘇ってきます。

文庫426ページ出版社岩波書店
発売日1987/8/17梱包サイズ

14.6×10.6×2.2cm

2位 岩波書店 『摘録 断腸亭日乗 〈上〉』

価格:1,026円(税込)

作者をダイレクトに感じる作品

摘録 断腸亭日乗〈上〉は永井荷風の40年以上にわたる赤裸々な表現も厭わずに記した日記であり、集大成の作品です。断腸亭とは本人が複数の意味を文字って付けたユーモアがある別号で、日乗は日記の意味があります。思うままに生きて、73歳で文化勲章を受賞した筆者はその後もいつも通り、浅草に遊びに行く生活を送っていました。

 

また、反骨精神を持ち迎合せず、時には人との軋轢が生じた永井荷風は現在の生き方にもヒントになることがあるかもしれません。強い心を持つ筆者に触れて、時には共感したり首をかしげたりしながら、自由を愛した永井荷風を自由に読むこと。おすすめです!

文庫460ページ出版社岩波書店
発売日1987/7/16梱包サイズ

14.8×10.6×2cm

1位 新潮社 『ぼく東綺譚』

価格:400円(税込)

耽美派永井荷風のこれぞ恋愛小説

第1位は永井荷風の最高傑作との誉れ高い、ぼく東綺譚です!懐かしいような切ない恋愛小説に興味を持っている方は、ぜひ手にとってもらいたいおすすめの一冊。舞台は永井荷風の十八番の江戸文化と風俗の世界に繰り広げられる小説家と娼婦の物語です。

 

永井荷風自体が相反する要素を併せ持った人物像で、晩年近くは大金を持っているのに質素な生活をあえて送っていたり変人と呼ばれることもありました。この小説の中でも対比による視点が奥行あるものとして、読者に想像する空間を与えています。清濁併せ持つ、とは永井荷風にふさわしい言葉のように思います。まさに珠玉の一篇。読んでよかったという感想が多いのも頷けます。

文庫144ページ出版社新潮社;改版
発売日1951/12/27梱包サイズ

14.8×10.5×2cm

まとめ

ここまで永井荷風著書のおすすめランキング10選を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今読んでも刺激的な生き方を貫いた永井荷風。読めばきっとそれぞれに何か感じるものがあると思います。筆者が過ごした時代を追体験してるかのような気持ちになるのも面白いです。興味を持った方は永井荷風ワールドを楽しんでみてください!

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